平成13年12月14日(金)
於・三番町共用会議所大会議室
食料・農業・農村審議会
主要食糧分科会議事録
食糧庁
目 次
1.開 会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2.会長あいさつ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
3.議事の進め方等について ・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
4.大臣あいさつ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
5.資料等の説明
(1) 「諮問」及び「諮問の説明」 ・・・・・・・・・・・・・ 3
(2) 「麦の政府売渡価格をめぐる状況」
(3) 「麦の標準売渡価格の決定内容(案)の概要」
(4) 「麦の標準売渡価格の決定内容(案)」 ・・・ 4
6.質 疑 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
7.意見開陳 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
8.答申のとりまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40
9.閉 会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41
開 会
○石原食糧庁長官 おはようございます。定刻となりましたので、主要食糧分科会を開会させていただきます。
委員の皆様方には、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
本日は、麦の標準売渡価格につきまして御審議いただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、会長、よろしくお願いいたします。
会長あいさつ
○八木分科会長 皆様、お忙しい中を御出席いただきまして、ありがとうございます。
本日は、ただいま長官からお話がありましたように、麦の標準売渡価格につきまして御審議をいただきたいと思います。
なお、本分科会につきましては、前回と同様に会議は公開することとし、傍聴者の方々も御出席されております。
傍聴者の方々には、あらかじめ書面にてお知らせしてあります留意事項を遵守していただき、円滑に本分科会が進行できますよう御協力をお願いいたします。
また、本分科会において皆様からいただきます御意見等につきましては、議事録として取りまとめの上公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
議事の進め方等について
○八木分科会長 本日の議事の進め方につきましては、先般、世話人の方々と御相談いたしましたので、御説明いたします。
まず、麦の標準売渡価格について諮問いただき、事務局から麦の政府売渡価格をめぐる状況等について説明を受けたいと思います。事務局からの説明がすべて終わりましたら質疑を行い、おおむね質疑が出尽くした後、諮問に対する御意見の開陳をしていただくことにしたいと思います。
御意見の開陳は正午までに終えたいと考えておりますが、正午までにすべての出席委員の意見表明が終了しない場合には、意見表明が終了した段階で昼食とさせていただきたいと思います。
昼食休憩の間に、世話人の方々を中心といたしまして答申案の作成を行い、答申案の作成が終了した時点で審議を再開し、答申を取りまとめ、午後1時30分ごろを目途に終了したいと思います。よろしくお願いします。
なお、世話人をお願いしております山田委員におかれましては、御都合により正午過ぎに退席される予定でございますので、審議がおくれた場合には、早乙女委員にかわりの世話人をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
このような手順で進めさせていただいてよろしゅうございますでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
○八木分科会長 ありがとうございます。
大臣あいさつ
○八木分科会長 それでは、最初に、武部農林水産大臣からの御挨拶を石原食糧庁長官から御披露いただきたいと思います。
お願いします。
○石原食糧庁長官 それでは、大臣あいさつを読み上げさせていただきます。
食料・農業・農村政策審議会主要食糧分科会の開催に当たりまして、一言ごあいさつ申し上げます。
委員各位におかれましては、御多用中にもかかわらず本分科会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
麦は、米と並んで、我が国農業における重要な農作物であり、また、麦から生産される小麦粉等を使った食品は、国民の食生活に欠かせないものとなっております。
麦については、平成10年に策定した「新たな麦政策大綱」に即し、各般の施策を総合的に推進してきております。特に、国内産麦については、平成12年産麦から民間流通への移行が図られ、関係者の御努力により、その大部分が民間流通に移行しているところであります。
農林水産省といたしましては、このような麦の流通実態を踏まえつつ、引き続き大綱に即した施策の展開に努めてまいる考えであります。
さて、本日は麦の標準売渡価格について御審議いただきたいと存じます。
麦の標準売渡価格については、家計費及び米価その他の経済事情を参酌し、消費者の家計を安定させることを旨として定めることとされております。委員各位におかれましては、麦をめぐる諸般の事情を御賢察の上、忌憚のない御意見をお聞かせいただくとともに、十分御審議の上、速やかに御答申を賜りますようお願い申し上げます。
以上をもちまして、簡単ではございますが、あいさつとさせていただきます。
平成13年12月14日
農林水産大臣 武 部 勤(代読)
○八木分科会長 どうもありがとうございました。
資料等の説明
(1) 「諮問」及び「諮問の説明」
○八木分科会長 では、長官から諮問及び諮問の説明についてお願いしたいと思います。○石原食糧庁長官 それでは、私から「諮問」及び「諮問の説明」を読み上げさせていただきます。
諮 問
麦の標準売渡価格について、最近における麦政策の運営の状況、外国産麦の国際価格、為替相場の動向等を考慮する必要があるものの、家計の動向等の経済事情にかんがみ、これを据え置くことにつき、食料・農業・農村政策審議会の意見を求める。
平成13年12月14日
農林水産大臣 武 部 勤
続きまして、「諮問の説明」でございます。
麦の標準売渡価格は、家計費及び米価その他の経済事情を参酌し、消費者の家計を安定させることを旨として定めることとされております。
国内産麦については、麦作経営安定資金の平成14年産単価について引下げを行ったところであります。国内産麦の生産数量は近年増加してきており、平成14年産麦についても増加する見込みであります。
外国産麦の国際価格については、最近の主要輸出国の小麦生産量の減少等により、昨年10月以降上昇傾向にあります。また、為替相場は、昨年末以降円安基調で推移しております。
また、麦に要する政府管理経費については、その管理の効率化等を通じ、縮減合理化を図ってきております。
他方、麦の標準売渡価格については、家計費等の経済事情を参酌することとされておりますが、最近の景気動向の下で、可処分所得が低迷している等の状況にあります。
以上のような事情を総合的に考慮し、麦の標準売渡価格については、これを据え置くこととしてはどうかということであります。
以上でございます。
(2) 「麦の政府売渡価格をめぐる状況」
(3) 「麦の標準売渡価格の決定内容(案)の概要」
(4) 「麦の標準売渡価格の決定内容(案)」
○八木分科会長 それでは、続きまして、「麦の政府売渡価格をめぐる状況」、「麦の標準売渡価格の決定内容(案)の概要」、「麦の標準売渡価格の決定内容(案)」の資料について、食糧庁の企画課長から説明をお願いします。
○長企画課長 企画課長でございます。
お手元の資料ナンバー2でございます。横長の資料でございますけれども、これを御覧いただきたいと思います。
まず、価格を考えます前提となります売渡価格をめぐる状況について御説明いたしたいと思います。
最初が、売渡価格の設定の考え方、これまでのルールということからでございますが、 (1)にございますように、麦の政府売渡価格は、家計費及び米価その他の経済事情を参酌し、消費者の家計を安定させることを旨として決定することとされている食糧法第68条の規定がございます。
具体的にはということで下に書いてございますが、右のイメージ図を御覧いただきますとわかりやすいと思います。具体的には、家計の安定が図られる価格の範囲内で、国内産麦に対する財政負担−右の図でいきますと(A)の欄でございます。国内産麦に対する財政負担、いわば国内の保護費用は、基本的には麦作経営安定資金という生産者に対して支払われているいわば経営対策の資金と、一部でございますけれども、政府の買い入れがまだ 1,000トンぐらい残っておりますから、政府買い入れのところ、これはいわば逆ざやでございます。この部分についての国内産麦に対する財政負担と外国産麦に対する売買差益。右の図でいきますと(B)の欄。売買差益につきましては、政府が外麦を買い入れて、一定の政府の管理経費というものもかかっておりますが、それに加えて一定の差益を得ている部分。この収支に赤字が生じないように設定するということを基本とする考え方、コストプール方式によりこれまで算定しているというのが基本的な設定の考え方でございます。
2ページ目でございますが、そういった考え方によりますこれまでの状況の推移を書いてございます。
右に具体的な価格の推移がございますが、こういった考え方でこれまで、内外価格差が現実にあるという現状ですとか国際化の進展を踏まえまして、昭和61年以降、右の「政府売渡価格」の欄を御覧いただきますと、61年に 6.0%、 4,100円程度のものを徐々に引き下げてまいっておりまして、現在、60キログラム当たり 2,308円という価格。累計で4割程度引き下げてきております。
こういった引き下げを可能としてきました要因は、一番大きなものは円高による外国産麦調達コストが低下したということが一つございます。それから、上の表でいきますと、国産の麦についての政府買入価格もこれに伴って引き下げてきた。こういった国産麦についての調達コストの低下といったこともその要因として挙げられるということでございます。
この結果、右の下の表にありますように、内外価格差は、徐々にではございますけれども、当時 3.7倍、4倍近くありましたものが現在では 2.0倍。直近時点で若干振れはございますけれども、 1.8倍ですとか、そういった形で、基本的には徐々に内外価格差縮小の方向を目指しているという推移でございます。
3ページ目でございますが、そういった価格の考え方の中で、最近の状況でございまして、一つは調達コスト等がどういう状況になっているかということでございます。
(1)は外国産麦の調達価格の状況ということで、外国からの輸出価格、我が国の輸入の価格は、近年の主要な生産国の生産量の減少ということで、昨年10月以降上昇傾向にあります。右のグラフで御覧いただきますと、平成12年9月、10月ぐらいから、FOB価格、外国から船積みして出航するときの価格でございますけれども、これがトン当たり 165ドルから徐々に上がってきている状況が御覧いただけると思います。
一方、ドルで買うわけですから、それを円に換算したときに、もう一つの影響は、為替が円安傾向で推移しているという状況も調達コストのアップにきいてきている。為替の欄を御覧いただきますと、現在では 122円。もうちょっと上がっておりますけれども、こういった段階で円安で推移しているということでございます。
下の表でございますけれども、FOBと調達コストの上昇が長いトレンドで見ますと例年になく大きなものとなっている。夏の時点でもこういった状況を御説明いたしましたけれども、この表を御覧いただきますと、両者のコスト要因を合わせました調達コストの、右から二つ目の欄を御覧いただきますと、過去、基本的には調達コストは円高で下がってきておりますけれども、時折上がっている要因がございますが、22%と、この1年間で見てみますと調達コストの大変大きなアップになっている状況にございます。
次のページでございます。今のが外国産麦の調達コスト。もう一方のコストである国内産麦の状況はどうかということでございますが、基本的には国内生産量がどういうふうに推移しているかということでございます。
14年産麦の生産、これはこれからの生産見込みということでございますけれども、13年産麦に比べて増加する見込み。右に表がございますけれども、13年の実績が64万 1,000トン。これは流通数量ベースでございますけれども、平成10年、11年、徐々に生産がふえてきておりまして64万トン。これが現段階での14年産の見込みとしては69万 8,000トンということで、相当の増加の見込みがあるということでございまして、左側にありますように、こういった民間流通麦には、生産者の手取り確保という観点から、先ほど申しましたように麦作経営安定資金あるいは流通コスト助成というものが支払われておりますので、流通数量の増加に伴って国産麦の振興コストも増加する見込みであるということでございます。
御参考までに麦作経営安定資金の概要を右に示してございますが、平成12年産から民間流通への移行に伴ってスタートしました。基本的なその考え方は、当時の生産者の手取りを確保するという考え方でスタートしておりまして、当時の政府買入価格と政府売渡価格、これは逆ざやだったわけですけれども、それを麦作経営安定資金としてスタートしたわけで、それ以降、一定の考え方、算定ルールによりまして、徐々にではありますけれども、これを下げてきております。12年産で 6,463円でしたものが、今年の10月にこの審議会で御答申いただきましたけれども、 6,396円ということに、徐々に生産性の向上を反映しながらこれについても引き下げてきている経緯がございます。
次の5ページでございますが、政府の売渡価格を考える場合に、もう一方参酌すべき事項として規定がございますのが経済状況ということでございまして、その中の最初が家計費の動向ということでございます。
ここに書いていますように、家計費、これを可処分所得の動向で見ますと、右の表にありますように、御案内のとおりデフレ経済ということで、実質の可処分所得は非常に低迷、近年ではむしろ低下傾向にあることが御覧いただけると思います。
こういった所得の動向というものを、下の欄でございますけれども、具体的に価格を決めるときの参酌の方法としましては、政令でございますけれども、いわゆる家計麦価というものを価格を決める場合の上限といったことで算式が示されております。
右に算式が書いてございます。この算式の考え方は、ア、イ、ウと書いてございますけれども、現実の平均的な消費者価格に所得の近年の伸びを乗じて、それから小麦粉をつくるのに必要な加工流通経費を減じるということで、原料となる小麦の価格の許容される上限を求めるという考え方でございます。これは、所得が上がっている、経済が一定程度成長しているという傾向の中で売渡価格を上げる際の上限を定めてきたということでございますが、これによりますと、これは後ほど詳細に御説明いたしますけれども、可処分所得が非常に低迷しているという状況ですので、家計麦価は現在の売渡価格とほぼ同水準ということで試算されております。この辺につきましては、また後ほど御説明いたします。
次が6ページでございますが、その他の経済状況ということで、一つは小麦粉調製品の輸入動向でございます。国内で生産されます小麦粉と競合するものとして、小麦粉の輸入調製品、製品輸入が増加傾向にあるということでございます。
右側に関税分類を書いてございます。小麦につきましては米と並びまして国家貿易ということで食糧庁が管理しておりますけれども、こういった小麦粉調製品−具体的な内容としましては、例えば砂糖を15%以上入れているものはお菓子のミックスとして使われている。それから無糖のものがございます。これはでんぷんがまざっておるもので、めん類に使われる。こういったものが、関税率を御覧いただきますと20%前後と非常に低い関税で、これは以前から自由に入ってくるわけですが、こういったものがあるということでございます。もちろん製品として従来からマカロニ・スパゲッティといったものも、関税率で見ますと同様の水準ですけれども、ある。
これらの輸入動向を御覧いただきますと、その下ですけれども、特に「小麦粉調製品」の欄ですが、円高でありましたので、平成9年以降、10万トンぐらいに減少傾向にありましたけれども、12年を御覧いただきますと12万トンに近い数字になっている。それから、今の円安にもかかわらず、最近の10カ月で見ますと対前年同期で8%。やはり非常に伸びている。これは年間にすると13万トン程度ということで、全体の小麦の需要量、我が国の消費量が 550万トンぐらいありますから、それからすればまだわずかな割合ではありますけれども、関係業界の方々に伺いますと、韓国を中心としてこういった調製品の品質が非常によくなっているということで、これから注視していかなければいけないという状況にございます。
小麦粉調製品の価格差ですけれども、こういった状況ですので、その下の欄ですが、韓国の場合で見ますと我が国の小麦粉の価格の 1.5〜 1.7倍程度安いということです。アンケート調査などをいたしましても、それは非常に魅力があって、今後相当伸びるのではないかといったことも言われておりますので、こういったことも売渡価格を考える場合には考えていかなければいけないということでございます。
次のページでございますが、製粉産業をめぐる状況ということで、最近よく言われておりますのは、デフレ経済のもとで、川下から徐々にメーカーに対する値引き要求は非常に厳しいものがあるという実態が把握されております。
これも製粉業界の方々からの事例調査でございますけれど、右側に、1袋当たりの平均的な販売単価がどれぐらい下げられているかということで、事例的なものでございますけれども、調べてみますと 1.2%ぐらい価格が低下で推移していることがうかがい知れます。
こういった事情もありまして、下の欄に製粉企業の営業利益率というものを、営業利益率ごとに企業数を並べてみました。食品製造業はおしなべて営業利益率が低うございますけれども、特に素材型の製粉各社の皆さんの場合には利益率が非常に厳しい状況にありまして、12年で見ますと0%以下で12社いらっしゃる。これは赤字経営ということです。1%、2%という非常に低いところに半分ぐらいの製粉会社の皆さんがいらっしゃる。こういった方々は国産の小麦の重要な引き取り手でもありますし、さまざまな面での地域の重要な担い手でもあるということで、こういった非常に厳しい状況に置かれていることがうかがい知れております。
次の8ページでございますが、一方で国産麦の民間流通の推進状況ということで、最近の状況でございます。
まず、13年産麦。既に生産・収穫を終わりまして、現在引き取りがなされております。先ほど申しましたように最近生産が伸びてきております。特にその要因は、これも9月の段階で御説明しましたように転作麦の増加ということで、右の作付面積で見ましても、転作麦が急増しているということで増加しております。13年産麦につきましては、全体の収穫量で90万トン、小麦につきましても約70万トンということで、現在ほぼ順調に引き取りがなされている状況にございます。
次の9ページでございます。14年産でございますが、今、作付が始まりまして、来年収穫されるものですけれども、夏の段階では大変大きな需給のミスマッチが発生しておるということを御説明したと思います。
右の表の真ん中でございますけれども、当初(7月)の段階では、販売したいという予定数量と購入するという希望数量の差は7万 6,000トン程度需給のミスマッチがございました。こういったミスマッチがございましたけれども、10月以降、入札が終わりまして相対取引に入りまして、それぞれ産地、実需者に対する価格ですとか、さまざまな条件提示や見直しが行われる。また、引き取る実需者の側からも積極的な対応がなされたということで、現在のところでは、このミスマッチも 6,000〜 8,000トン程度まで縮小している状況にございます。
しかしながら、左側に書いてございますように、品質向上の取り組み等がおくれている一部の県がございまして、実需者ニーズが低いにもかかわらず数量を増加させている産地がございますので、こういったところについては今後引き続き指導をしていかなければいけないと考えてございます。
こういった状況ですので、3番でございますけれども、「15年産以降の麦対策の検討」ということで、これも夏の段階で御議論いただきましたが、こういった当初のミスマッチの状況を踏まえまして、より的確に市場評価が生産者に伝わり、需要に即した良質麦の生産が推進されるよう、麦対策のあり方について全般的に幅広く検討していく必要があるということでございます。
あとは参考資料でございますので、この辺は質疑に応じて御説明させていただきたいと思います。
以上がめぐる状況でございます。
引き続きまして、資料ナンバーの3番でございます。横長の薄い資料ですけれども、今回諮問いたしたい標準売渡価格の決定内容につきまして、資料ナンバー3の概要で御説明いたしたいと思います。
設定方法につきましては、先ほど申しましたように食糧法の規定に基づいて考えているということでございまして、1番目が「コストプール方式による算定」ということでございます。
コストプール方式。先ほど申しましたように、調達コスト等を考えていくということで、具体的に右のイメージ図に数字を当てはめながら計算過程を説明してございます。
まず、外国産麦のコストがどうなったかということでございますが、トン当たり3万 5,333円というふうに試算してございます。これを右のイメージ図に落としますと1番のところでございます。この内訳としましては、外麦の実際の買入価格が2万 7,106円。これが先ほど御説明しましたように調達コストがアップしている。FOB価格でいきますと、1年前と比べておるわけですが、 155ドルが直近の見込みで 166ドル、為替レートについてもこういう状況ということで、内訳としてこれが一つでございます。もう一つ、政府の管理経費というものもございます。これが 8,227円。これが外国産麦にかかるコストということで、右の欄の@でございます。
今度は国内産麦に要するコストということで、これは1万 7,131円というふうに試算してございます。この内訳は、中心は麦作経営安定資金でございまして、それから政府買い入れが一部ございますが、29円。ただし、留意していただきますのは、トン当たりということになっておりますけれども、見にくうございますが、下に書いてございますように、国産麦に対する麦作安定資金といいますのは1俵60キログラム当たり今 6,396円支払われている。今年の夏の段階で引き下げを御答申いただきましたけれども、1俵当たり 6,300円というものが国産麦全体に対して支払われているわけです。これを外国産麦を売り渡す際の売買差益として、外国産麦1トン当たりに対してオンしているというふうに考えていただければと思います。そうしますとトン当たり1万 7,131円というものが売買差益としてここにオンされている。
この結果、3番でございますが、@とAを合計しましたものが5万 2,464円ということで、右の欄でいきますと@とAを足したもの、これが売渡価格として、コストプールという考え方に基づけば試算されるということでございます。これが現行価格に比べますと 3,696円ということで、コストプールによれば 7.6%の引き上げというふうに試算されるということでございます。
他方、2ページ目でございますけれども、家計の安定を旨として定めるという趣旨に基づきました、先ほども申しておりますが、家計麦価というものについて政令で定められております。家計麦価によればどうなるかというものを示したのが2番目でございまして、家計麦価の算式につきましても、右の表に示してございますけれども、Pwといいますのが直近基準期間3カ年間における実際の小麦粉の消費者価格。これを所得の伸びで許容される上限値を求めていく。そういう考え方でございますが、これを実際に当てはめてみますと、@の家計費(可処分所得)の動向ですが、これは御案内のとおり非常に低迷しておるということで、▲ 1.8%ということで、むしろ実質可処分所得は低下しているというのが実態でございます。したがいましてAに、こういった家計費の動向を踏まえました末端の消費者の段階での小麦粉の価格の上限額というものを掛け算してみますと、これは 100キログラム当たりに直しておりますけれど、1キロ当たり 192円という消費者価格でございますが、状況に下がっておりますので、上限額が1万 8,854円ということで、下がるという状況にございます。
これから加工流通経費、原麦から小麦粉をつくる段階での加工費ですとか流通経費、そういったものが1万 3,341円。これは私どもの直近の調査でございます。これを差し引いた価格がCでございますけれども、原料となる小麦の許容される上限の価格が出てくるということで、これが 5,513円と計算されるわけです。
ただし、ここでも留意が必要で、小麦粉を 100キログラムつくるための原料となる小麦の価格ということでございまして、※印で注に書いてございますけれど、小麦粉を 100キログラム製造するために必要な原料小麦は玄麦で換算しますと 120キログラム。歩どまりがございますので。したがいまして、 5,513円というのは玄麦 120キログラム当たりの上限となる価格というふうに御理解いただきたいと思います。若干ややこしゅうございますけれども。これを 100キログラムにまた換算しているということで、原料小麦の上限価格 100キログラム当たりの価格で見ますと 4,598円というのが家計の動向から見た場合の小麦粉の許容される上限の価格ということで求められるわけでございます。これが現在の政府の売渡価格に比べれば19円、 0.4%の引き上げ可能額というふうになりますけれども、こういった所得の動向からするとほぼ横ばいだというふうに御覧いただきたいと思います。
大麦、はだか麦につきましても、それぞれ同様に加工流通経費から上限価格を求めておりまして、同様に+ 0.4%、+ 0.2%という動向になるということでございます。
最後のページでございますが、御参考までに「対米価比」ということで、従来から、小麦の売渡価格を考える場合に、米の価格との関係はどうかということも常に見ております。御覧いただきますように、最近の傾向でいきますと45%程度でほぼ横ばいの状況にあるということでございます。
4番目が、以上のようなことを総合しますと、改定率の今回の考え方でございますが、小麦の標準売渡価格につきましては、まず、コストプール方式によれば所要の引き上げになる。先ほど 7.6%ということでございますけれども、2で見ますように家計麦価が現行価格とほぼ同水準であること、米価比もほぼ横ばいであることから、その他、小麦粉調製品の状況ですとか、製粉産業を取り巻く状況ですとか、そういったことを総合的に勘案すれば、今回は前年同額、据え置きということで諮問させていただいているところでございます。大麦及びはだか麦につきましても同様に前年同額ということで考えておるところでございます。
以上でございます。
質 疑
○八木分科会長 事務局からの資料説明が終わりました。
それでは、まず質疑を行い、その後に意見開陳をお願いしたいと思います。
なお、冒頭に申し上げましたとおり、概ね正午までを目途に意見開陳を終了したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、どなたからでも結構ですので、御発言をお願いします。
では、黒田委員、どうぞ。
○黒田委員 生産量についてですけれども、昨年の場合、生産量が増加傾向にあって自給率の達成目標値をハイピッチで増加傾向にある、そういう記憶があるんですけれども、現在、自給率達成目標のスピードはどういうことになっておりますか教えていただきたいと思います。
○八木分科会長 企画課長。
○長企画課長 自給率の目標につきましては、昨年、基本計画で、10年後ですから平成22年の目標値としまして、小麦でいきますと80万トンというものを全体の生産量の目標として定めたということでございまして、現在の推移を見ますと、先ほどございましたように、流通数量でも70万トン近いという数字でございます。作付面積から見ましても10年後の目標としていた数字にかなり近い。まだ超えてはおりませんけれど、近い状況に達している状況にございます。
○八木分科会長 よろしいですか。
○黒田委員 はい。
○八木分科会長 ほかにございますか。
中田委員、どうぞ。
○中田委員 全く素人でわからないのでお聞きするんですけれども、先ほど需給のミスマッチのお話がございましたが、全体のどれくらいの量になるのかが一つ。それを指導することによって改善できた場合はそれがなくなるのでしょうけれども、種類によって、土地柄ですね。麦を作付するのに適している土地ということがあるかなと。お米もいろんなものがあるんですけれども、麦もそんな気がしたものですから、指導して改善できるものなのか、それとも、適地はどこでもあるんですよという感じで、ミスマッチの小麦を転換というか、種類をかえるということはこれから可能だということでしょうか。
○八木分科会長 企画課長、お願いします。
○長企画課長 おっしゃるように、生産調整の拡大等に伴いまして、自給率の向上という目標もございまして、麦や大豆の増産に各県で一生懸命取り組んでいただいているわけです。その場合実需者のニーズに即したものということが大前提でございまして、現場で地方協議会というものを設けておりまして、農協の皆さん方、実需者の皆さん方に入っていただきまして、毎年、こういった品種のものをどれだけ作ろうかという話し合いを、来年でいきますと、年が明けますと早速その取り組みが始まっていく。そういったことをやっております。
多くの県ではそういった情報交換をやっていただきながらニーズに答えていくということで増産をされております。例えば北海道ですと、ホクシンがやや過剰ぎみにありますので、この生産を落として春小麦の方に移していこうという取り組みがなされております。関東でも、バンドウワセという品種は若干人気が悪うございまして、これは全部やめていこうという県もありますけれども、それがまだ残っている県もある。都県の中では幾つかの県で、なかなかそういった取り組みが少ない。情報交換が十分に行われておらずに、人気のない品種がそのまま増産されている県もあるということです。
新しい優良な品種の開発も一生懸命やっておりますけれども、普及段階まではなかなか十分に行っていないという面もあろうと思いますけれども、そういったことで幾つかの県で小麦についてはミスマッチが発生しているということでございますから、そこのところについては、産地協議会という場でもっともっと情報交換をしっかりしていただきながら、どういった小麦がいいのか。それは栽培技術等もあると思いますけれども、そういったものをしっかり実践していただく、そんな指導が必要かと思っております。
○八木分科会長 中村委員、お願いします。
○中村委員 質問が一つありますので質問を先にお聞かせいただきたいんですが、資料ナンバー3の右側のイメージ図のところにいろいろ単価が書いてありますけれども、数量も書いてありますので、金額で言うとどういうことになるのか。国内産麦に対する財政負担の総額、外国産麦の売買差益の総額、管理経費の総額、これがおわかりでしたら教えていただきたいと思います。
意見を言わせていただきますと、製粉業界は、今年の売渡価格につきましては引き下げの要望をしております。環境は先ほど御説明のあったようなことですので、ぜひ引き下げをお願いしたいということだったわけですが、残念ながら据え置きということになったわけですけれども、財政事情その他いろんなことを勘案すると、 7.6%の引き上げの計算にもかかわらず据え置きになったということについては大変ありがたいことだというふうには思っております。
さっきも小麦粉調製品の話が出ておりましたけれども、今、全体で十何万トンと入ってきておりますけれども、お隣の韓国から6割入ってきているんです。韓国の有力製粉会社では調製品を製造するラインを増設する動きも出ておるようです。また、中国がWTOに加盟するわけですけれども、新聞報道等によりますと初年度から 800万トンの小麦を輸入するということで、これは関税率ゼロだとか言っておりまして、中国は製粉工場、製粉会社というんですか、 2,000あるんだそうです。 2,000あるけれども、近代製粉工場は三つか四つしかないということですけれども、輸入小麦を使って製粉をやっていくときには必ず大規模の立派な製粉工場ができるんだろう。かつ、輸入しっ放しで国内で消費するだけではなくて、必ず近場の国に調製品あるいは製品に形を変えて輸出をすることになるんじゃないか。ですから中国のWTO加盟ということについても、日本のいろんな業界、プラス、マイナスもあるんでしょうけれども、小麦関連業界に与える影響も相当大きなものになっていくんだろうと思っております。
こんなことも含めまして、私ごとのようになるんですが、日清製粉といたしましても、コスト削減努力を相当スピードを上げてやっていかなければいかんということで、日清製粉の発祥の地は館林でありますけれども、館林工場を来年12月をもって閉鎖することを先月発表しております。同様に、いろんな工場を集約するというようなことは他社さんでもどんどんやられておりまして、売渡価格の引き下げをお願いする以上は、業界自体としてもコスト削減努力を相当やっていかなければいかんということで続けてきておるわけですけれども、さっき、 1.8〜2倍という内外価格差があるということですから80〜 100%の関税になるわけで、片一方の製品関税が20%前後ということですと、60%とか80%の格差を埋めるというのは企業のコスト削減努力だけではなかなかやっていけないということであります。したがいまして、いろんな状況を考えていきますと、相当いろんな角度からの見直しが必要になるんじゃないかと思っております。
さっきの資料説明の中に、国内産小麦につきまして、15年産以降見直しを進めたいという件がありましたけれども、これは国内産小麦の見直しだけではなくて、麦政策全般について将来展望を明確にしながら、どうするのかということを明確にしていく必要があるのではないか。
これは生産者の方々も経営安定化資金は一体どうなるんだという心配もされるだろう。我々としても、中国がどうだ、韓国がどうだ。これ以上いろんなことになっていった場合に一体どうするんだ。いろんなことが内在したままずっと来ているわけであります。ですから、1年で解決するなどということはできるわけはないんですけれども、将来展望を明確にすることによって、例えば韓国なども、日本がそういう方向に向かうとするといたずらに設備投資はできないということにもなるでしょうし、生産者の方々も、あるいは小麦を加工して主要食糧として売っているいろんなメーカーも、将来展望を明確にしていただくことによって、安心して国内産の小麦も使ってやっていけるんじゃないかと思っておりますので、今回の据え置きにつきましては大変ありがたいと思っておりますけれども、あえてこういう意見を述べさせていただきました。
以上です。
○八木分科会長 では、質問に対して、企画課長。
○長企画課長 最初の御質問の点の具体的な単価のところの総額についてですけれども、国内産麦に対する財政負担は総額でいきますと 857億円という数字になります。外麦の方でいきますと3万 5,333円に該当する分ですが、買入価格と管理経費の総額が 1,767億円ということでございます。これらを合計したものが全体の額になるわけですけれども、外麦の調達コストのところが1年前に比べまして約 180億円ふえているということで、 1,767億円と 857億円を合計したもの、 2,500億〜 2,600億円ですけれども、これが全体の売渡価格になるわけですけれども、それが、先ほど申しました約 7.6%外麦の調達コストが上がった分がそれだけ上昇しているという計算になります。
○八木分科会長 よろしいでしょうか。
○中村委員 管理経費の総額は幾らになりますか。
○長企画課長 1,767億円の内訳として、管理経費は 412億円と。
○中村委員 売買差益の総額は幾らですか。
○長企画課長 売買差益の総額は、コストプールの計算は先ほど言いましたように国内産麦に対する財政負担を均衡させるようにしていますから、 857億円。これとこれがイコールになっているということでございます。
○中村委員 わかりました。
○八木分科会長 よろしいですか。
○中村委員 はい。
○八木分科会長 では、甲斐委員。
○甲斐委員 これは消費者の家計をというような言葉が入っておりますけれど、実際問題からしますと、私どもが小麦粉として買うのはほんの一部分ですので、むしろ製粉業界とか、それをお買いになって食品に加工なさる加工業界さんが消費者であって、先ほどお米との対比も出ていましたが、私どもの家計の中では、主食としてどちらを選択するかというのは、懐具合といろいろな経済事情を勘案して選ぶわけですので、両方とも主食ではありますけれども、これは家計の中では金額によれば動く部分。どうしても動かない部分もありますけれど、動く部分もあると思うんです。
そうして考えていきますと、やはりこの問題の解決というのは、今、中村さんから御意見が出されましたように、製粉業界の方や加工食品業界の方がいかに繁栄するためにお米とも勘案しながらやっていかなければならないという部分もあると思うので、消費者の意見が入り込むところは少ないんですが、私も心配いたしますのは韓国や中国などの動きですし、それと、今、世界情勢がこれから先もどうかなという不安のある中で、地球環境問題にも不安がある中で、私ども敗戦を経験している人間は、やっぱり一言、日本の主食は自国である程度賄っていくという姿勢をとっていただきたいなと思われるものですので、今、10年後の目標をやや達成しているということですが、転作で増えている部分が麦の場合は随分あるんですが、そこが本作に移行しながら、そういう作付面積も減らさないでやっていけるという方向をとることが必要ですし、また、麦の場合は、勉強させていただきますと、大変天候に左右されるとかいろんなことがございますが、今、飼料問題も、国産である程度賄ったらいいのではないかという声も大分出ておる時期でありますので、麦がなかなか実らなかった場合、すぐそれが飼料になるかどうか、素人でわかりませんけれども、飼料と両方考えた上で、麦ができにくいところは飼料にできるのかなと思うんですが、そういうことも考えた上で、農地をある程度使いながら、飼料も主食も含めて国産をある程度確保する方向でやっていただきたいと思います。
ここの中でミスマッチの問題が出ていましたけれど、全く考えないで売れない麦をつくっていらっしゃるんじゃなくて、どんなに努力してもそこでは売れる麦は無理だというところは飼料とか何かにかえた方がいいのかなというふうにも思いますし、調製品のところに手をつけない限りは難しいんじゃないかと素人としては考えられるんですが、その辺、皆様の意見を聞いていらっしゃるのがどこかに載っていましたけれど、これから困ってきたら調製品に移行しかねないという加工業者の御意見もあるようですので、その辺に手をつけないと難しいかなと思います。
以上です。
○八木分科会長 では、山田委員、どうぞ。
○山田委員 今の甲斐さんの御意見に若干関連しますし、中村さんのお話とも関係するんですが、資料2の9ページに15年産以降の麦対策の検討について触れてあります。「14年産当初に発生した需給のミスマッチの状況等を踏まえ」というふうにしてあるわけでありまして、この原因は何なのかということについてはきちっと点検して対策を講ずることが必要だと思います。
そこにありますが、より的確に市場評価が生産者に伝わるとか需要に合った良品質麦の生産が推進されるということも、それぞれ今後の取り組み課題として大変大事な課題だと思いますが、しかし、このことと15年産以降の麦対策のあり方について検討するということとどう関係するのか。こんな形で大仰に構えて麦対策のあり方を検討することに波及させるのかどうかというふうに思っております。
といいますのは、今、中村さんからもありましたが、中村さんの御意見でいくと国家貿易制度のあり方にまで触れて考えなければいかんのかということになりますし、国家貿易制度とコストプール方式は密着不可分でありまして、そうなりますと一体どんな国内産麦対策を行っていくのかということですよね。それから、甲斐さんのお話にもありましたが、調製品の世界に触れる、何らかの形で検討するということになりますと、これはこれで物すごく大きな変革を制度として行わなければいかんことになるのかと思うわけです。
要は、こうした大きな課題について、方向が定まらない中で安易に15年産以降の麦対策のあり方について検討するといっても混乱させるばかりで、基本法で自給率の向上も含めて一定の方向を出して取り組んでいこうと言っているときに、国産麦の振興も含めたありようについて、いわば不安と混乱をもたらしかねないのではないかという心配を持っておりますので、9ページのわずか4行でありますけれど、この部分についてどういうことを考えておられるのかということをお聞きできたらと思います。
○八木分科会長 では、長官、お願いします。
○石原食糧庁長官 先ほど来委員の皆様方から基本的な問題を指摘されております。我々が9ページで15年産以降の麦対策の検討をしていく必要があると言っておりますのは、10月に買入麦価について決定させていただきましたときにも、答申の中でなお書きといたしまして、平成15年産麦以降の民間流通の仕組みを始めとした麦対策のあり方について関係者の間で幅広く検討されたい、という指摘があるところでございまして、我々はこれを受けて検討していかなければならないと考えておるところでございます。
基本的な問題、要するにコストプール方式をどうするのかとか、その辺になると、正直言いまして、我々はこういう方向に検討を持っていきたいとか、現時点でそういう具体的なものがあるわけではございません。大きな問題でありまして、ここを変えると、財政負担がどうなのかとか、そういう問題も絡みまして、現時点で抜本的な改革をするというのはなかなか難しいのではないかと考えておりまして、私は慎重にならざるを得ないと思っております。ただ、9ページに書いてございますように、ミスマッチの状況を踏まえて、より市場評価が生産者に伝わる、良品質麦の生産が推進される、この辺であればそれほど大きな問題とはならないのではないかと考えているところでございます。
今日、実は自民党の方でもこういう諮問をするということについて諮ったわけでございますけれども、そのときにもミスマッチの解消につきましては努力していくようにという御指摘がありました。そのときに私から申し上げたのですけれども、今回は売渡価格でございます。売渡価格のときはそうおっしゃるのですけれども、買入麦価を決めるときに違うことを言わないでくださいと(笑声)。そう言う表現はありませんでしたけれども、その辺もよく考えてお願いしますということを言ったのですけれども、我々は、ミスマッチは売渡のときにも考えていく必要がありますけれども、買入の時にもそういうことを考えていただく必要がある。
いずれにしましても、皆さんの意見が一致しますのは良品質麦の生産ということでございますので、良品質麦の生産について努力していく。麦の生産者でも努力している人が報われるようにしていく。努力しないと言っては悪いのですけれども、先ほど企画課長から説明しましたように、ああいう協議会の場でいろいろ諮っているにもかかわらず必ずしも改善の努力が見られないところ、そういうものにつきましては、何らかのシグナルといいますか、市場のシグナルとして、そういうものについては品種を変えるなり、考え直すようにということは引き続き送っていく必要があるのではないかと考えておりまして、我々はそういう点を手がかりに、10月の段階でいただきました宿題を、来年のそれぞれの麦価の決定までかかりまして検討していきたいと考えているのが今の状況でございます。
○八木分科会長 倉持委員、お願いします。
○倉持委員 今、長官のお話をお伺いしたんですが、もう一つそれに関連してお聞きしたいんです。
実は先般、米政策の見直しということで新しい方向を打ち出すということが出されまして、細かい内容につきましては、さらに研究会をつくって来年あるいは再来年に方向を出すというふうにお伺いをしているわけでありますが、特に米政策の見直しの中で、生産調整のあり方がやっぱり一番大きな柱になっていると思うんです。生産調整のやり方になりますと、転作麦のあり方というのが非常に関連してくるのではないかと私は思っているんです。
先ほどの8ページのグラフによりますと、年々転作麦の生産量が増えてると伺っているわけでありますが、私は新潟県におるんですが、新潟の場合にはほとんど麦はないわけでありまして大豆の例になるんですが、米政策の見直しがどういうふうになるかということも頭にあるんでしょうが、来年あたりはこれ以上大豆や麦を増やすことはほとんど難しいんじゃないかという話も出ているわけです。そういうふうになってきますと、米政策の抜本的な見直しの中で麦なり大豆の転作作物のあり方というのはこれからどういう方向になるのか。これが先ほど御指摘の15年産以降の麦対策のあり方ともう一つ関連をしてくるのではないかと思っておりますので、その辺の方向づけをお聞きしたいんですが。
○八木分科会長 それでは、長官。
○石原食糧庁長官 抜本的な問題でございますのでにわかにお答えしづらいのですけれども、ここに出しております15年産麦のあり方は、我々は必ずしも生産調整の検討と直接関連づけているということでもありません。あくまで麦というのはそのうちの一つの問題でございますので、我々は直接関連づけて考えているわけではないということでございます。
いずれにしましても、生産調整のあり方の問題につきましては、面積から数量管理という、それの方向づけにつきましては、この前の主要食糧分科会にお諮りしましたときにも御説明しましたように大方の御理解をいただきつつあるのではないか。まだ完全にはいただいておりませんけれども。しかしながら、それにかかわるいろいろな問題、確認の問題とか、周辺のいろいろな問題がありますので、それは、来年1月以降になろうかと思いますけれども、研究会を設置しまして、その場で検討していくということでございますので、御理解いただきたいと思っております。
○八木分科会長 途中退席される方もおられると聞いておりますので、質問とともに御意見も御発言いただいて結構でございます。
では、加倉井委員、どうぞ。
○加倉井委員 簡単な質問を三つぐらいしたいんですが、一つは、資料2の7ページに「営業利益率」というのがあります。これが低い状況にあるという言い方をしているんですが、では、どれぐらいがいいのかということなんです。例えば自動車産業の利益率は1%というのを聞いたことがあります。世界的に競争力のある自動車ですが、利益率はたった1%だというのを会社の人に聞いたことがあるんですけれど、それを多いと言うのか少ないと言うのか。製粉企業はもちろん性質は違うけれど、それにしても、こういう数字だけで多いとか少ないとか言えるのか言えないのか、これは私はわかりません。どう考えたらいいのか。5%以上なんていうのは物すごく多いと言えるかもしれませんし、よくわからないので、その辺を教えていただきたい。
もう一つは、麦の生産というのは転作麦、裏作麦、畑作麦といろいろあるんですが、品質が落ちるのはどの分野が多いのか。例えばミスマッチというのはどこでできているのかというのが質問です。
三つ目はそれに関連するんですが、水田裏作麦の場合は、これは価格だけで見ていますけれども、麦に対する転作については転作奨励金というものが入っているはずなので、そのお金を例えば生産量で割り戻すと1トン当たり幾らぐらいという転作奨励金の財政負担が出てくるのではないかと思いますが、そういうものがあったら教えていただきたいんです。つまり、転作として麦をどう扱うかということを考える資料が欲しいという意味です。
○八木分科会長 企画課長。
○長企画課長 まず、利益率のところでございます。確かにおっしゃるように、どの水準をもっていい悪いと言うのはなかなか難しゅうございますけれども、私どもが持っている資料としましては、問題意識は2点ございまして、一つは食品製造業全体の中で見たときに、12年で見ますと全製造業の利益率が 4.7%という数字を持っています。その中で食料品製造業については 3.5%というものがございます。そういった中で製粉各社の利益率を見たときに、相対的でございますけれども、非常に低いのではないかと。
もう一点は、素材産業ということで、素材、外麦を政府が価格を決めて売り渡しているという状況にある中で、特に今回、先ほど申しましたように調達コストのアップということで、仮にこれを上げるとなれば、末端の価格になかなか転嫁が厳しいという状況が一方であるものですから、そうすると、1%上げたときにどうなるかというふうなことを、我々が検討する上でこういった数字を見たときに、やはりこれはかなり厳しい状況なのではないかということで、参考として御提示しているということで御理解いただきたいと思います。
○篠田流通課長 ミスマッチと品質との関係の点でございますけれども、一般的に分けるのは難しい点がございます。ただ、ミスマッチという形で売れ残りが懸念される県あるいは地域ということから考えてまいりますと、一つには、委員も触れられましたけれども、転作で急に大幅に麦類の作付がふえたようなところは若干その危険性が高かろうと考えております。
ただ、先ほど申しましたように、一般化できないという点でございますけれども、転作がふえていないところでも、これはお取り組みの仕方の濃淡かもしれませんけれども、もうちょっと細かく見なければいけないのかもしれませんが、地域的に見ると、なかなか引き取っていただけないようなところもありまして、白黒はっきりいたしませんけれども、おっしゃっておられたような色彩のところは伺えるかなと考えております。
以上でございます。
○八木分科会長 それでは、農産振興課長、どうぞ。
○西川農産振興課長 品質面のところと転作に係る経費についてお話ししたいと思いますけれども、ミスマッチの話については、今お話があったように転作で急増したところで起こっているというのは事実だと思いますが、では、畑と水田とで、つくった場合に必ず差が出るのかということになりますと、そうではないと思います。ただ、水田でつくる場合、麦はドライ作物ですから、排水対策をきちっとやらないといい麦にならないことは事実でございます。
ただ、日本の小麦について見れば、めん用ということになれば、求められるたんぱく含量が製粉業界からは10〜11%ということになっておりますが、それをつくるためには、畑であろうと水田であろうと、しっかりとした土壌診断に基づく肥培管理が必要になります。肥培管理は、当然のことながら、若干専門的になりますけれども、その土壌がどういう土壌かによってもちろん変わってくるということで、今私どもとしては、とれた麦の品質分析をすることによって、そういう範囲に入らないところについては、肥培管理をきっちりと見直すことによって望ましいところに持ってくるようにという指導もしております。特に北海道ではこれが進んでおりますけれども、乾燥調製施設に持ってきた麦を入り口で品質分析をして区分をする、そういったことまで取り組み始めている。これを転作地帯についてもきっちりとやっていく。
当然ながら、排水対策をやりながらきっちりとした麦の栽培を行うということが基本になる。そうなれば品質問題というのは、最近いい品種ができておりますので、しっかりやればカバーできるものだと考えております。
助成金は一体どれだけ出ているのかということで、麦については確率助成の単価として最高額5万円という水準がありますが平均約4万円として、麦の場合は、このカバー率が8割程度まで行っているのではないか、13年産がどこまで行ったかというのはまだ出ておりませんけれども、転作麦の見込面積9万 2,000ヘクタールの8割として試算すれば 300億円程度になります。これはあくまで8割カバーしたとしての仮定の計算でございます。
以上です。
○八木分科会長 立花委員。
○立花委員 私も何人かの方がおっしゃられた問題提起と基本的には共通なんですけれども、今回の売渡麦価の決定の問題は、突き詰めていくと、国内農業の自給率の向上を一体どう考えるか、あるいはそのためのコストをだれがどういう形で負担していくのがいいんだろうか。消費者負担なのか、財政で負担するのか、あるいはその他。輸入麦に負担させるという今のやり方が果たしていつまで続くのか。あるいは、国際化の中で、農業に比べて、あるいは農業と同じような形で国際化が進んでいる食品工業。素材なり加工、2次加工への影響を一体どう考えるか。麦の問題は単に麦価の問題ににとどまらない非常に大きな広がりを持っている問題だろうと私は思っております。
その意味で、先ほど資料説明の中で、円安で外国麦の調達価格が引き上がったという話がございましたが、輸入麦の差益で国内麦の割高の分を補てんするという図式が続く限り、国内麦がふえればふえるほど、つまり自給率がふえればふえるほど、その分補てんの財源となっている輸入麦の輸入が減るということに計算ではなるわけで、結果的には消費がふえない限りにおいては売渡麦価がさらに高くなるという形になるわけです。価格が高くなれば、1次的なユーザーである製粉企業、さらに言えば2次加工食品メーカーですね。今、中国には、特に私どもが聞いておりますのは冷凍食品ですね。製粉企業については東南アジア等でも外資規制等々があってなかなか難しいという点があるようですけれども、少なくとも2次加工メーカーはどんどん外に出ていって、しかもそれは国内に逆輸入ということをにらんだ上での対応というふうに聞いているわけで、そういった状況が当然進んでいく。そうすると結局は、国内の農業がせっかく苦労してつくられても、ユーザー企業がいなくなって、それが製品の形で入ってくる。そういった非常にミゼラブルな状況が想定されるわけでございます。その意味で、私は、現行とっておられる内外麦コストプール方式というものは、基本的には破綻を来す状況に来ているのだろうと思っております。
問題は、国内生産者の方が大変苦労されたものが余り歓迎されないというのは健全なシチュエーションではないと思っておりますので、どうやって国内農家の努力と消費者なり実需者といいましょうか、一義的には製粉を使う食品産業、食品加工業がどうやって国内で、単に言葉だけではなくて両立し得るのかという命題をどうやって解いていくかということだろうと思うんです。
この問題は麦の問題にとどまらず、国内農業と国際化という問題に共通する問題だろうと思うんです。根底にある問題で。私は基本的には、この辺のうまい解決策が見つからないと、外国がつけ入るすきを与えることになりかねない世論の分裂ということにつながっていくでしょうし、ここは苦しくても何とかして解を見つけていかないと、国内農業の自給率向上という命題と食品産業なり消費者の利益との問題が解決し得ないんだろうと思うんです。
机上の空論と言ってしまえばそれまでですけれども、望ましい姿としては、消費者がなろうことならば国際価格で入手できる。だけども、その価格では国内農業は到底現時点においてはやっていけないということであれば、その差額、割高分をどういう形で補てんしていくのか。できればその負担を消費者や食品加工業の負担ということではなくて、国内農業、農政全体の予算の中で割高分のコストを負担するような仕掛けを考えていかないと、時間がたてばたつほどその辺の矛盾が大きくなって、結局国内農業生産者と消費者あるいは実需者との間の意見の乖離がに大きくなってくる非常に不幸な図式につながってくるんだろうと思いますので、ぜひその辺の取り組みを、平成15年産以降という話がありましたけれども、そういった点を視野に入れてぜひ御検討いただきたいというのが私のお願いでございます。
○八木分科会長 生源寺委員、どうぞ。
○生源寺委員 御質問申し上げたいんですけれども、私も今の立花委員やほかの委員の御発言の問題意識とかなり共通する問題意識を持っているんです。それと多少関係するかと思うんですが、今、売渡麦価についての諮問と答申という話をしていて、秋に買入麦価の審議会があるわけですけれども、秋は表示価格という意味で、生産者の意思決定に間に合うようにということだろうと思いますし、今回は予算編成との関連でこういう時期かと思うんですけれども、これを一緒にやるということがシステムとして無理なのかどうかということなんです。
つまり、本来一体として議論すべきで、今の皆さんのお話は、もう少しグラウンドを広げて、視野を広げて議論してはどうかということかと思います。それは私も賛成でございますけれども、麦そのものの政策を考える場合にも、今のシステムでやりますと、今日は非常にいい説明をいただきましたので全体の構造がよくわかったわけでありますけれども、仮にプール方式を前提とすると売渡と買入の麦価は独立に決めることはできない状況で、今の方式でいきますと、買入麦価なり麦作安定資金が先決変数で、おのずから売渡麦価は決まってくるというような面があって、今日は、そうではない部分でかなり御苦労されているというところですが、そこはそれとして、仕組みとして、問題の構造をわかりやすくするという意味でも、私は本来トータルで考えていくということが必要ではないかと、そんな問題意識を持っているんです。最初に申し上げましたようにそれぞれを決めるについては条件なり時期というものの制約もあるいはあるかと思いますので、これは御質問という形で申し上げたいんですけれども。
○八木分科会長 長官、どうぞ。
○石原食糧庁長官 買入麦価につきましては、今年の場合は10月初めに決定させていただいたわけでございますけれども、その検討の際に、同時に売渡の方もやってはどうかというのが議論としてはありました。我々も検討いたしました。
そもそも麦につきましては、作付に間に合うようにということで、他の作物と同じようにということで決まったわけです。それに合わせて売渡もやるのかということでございますけれども、一つは、そのときも円安というのはあらわれていたわけです。円安で、かつFOB価格が上昇しているという状況がありました。そういうことを考えると、昨年が12月に決定しておりますので、状況の変化も考えられないわけではない。そういうことで、1年たった時点までのそれを見きわめる必要があるのではないかというのが一つと、そもそも、御案内のとおり、買入麦価につきましてはかなり政治的なものも働くということもありまして、需要者側といいますか、製粉業界さんが、そういう方には正直言って巻き込まれたくないというあれがあったのではないかと思いますけれども、一緒に決めるのはどうかという判断があったのだろうと思います。
我々としましては、先ほど言いましたように、そのときには8カ月、9カ月か10カ月になっていたわけですけれども、去年12月に決めたものですから、非常に変化があるのではないかということもありまして、その辺を見きわめたいという気持ちもありまして切り離したということでございます。これを来年以降同時にするのか、その辺は一つの検討課題だろうと思っております。
もう一つ、検討の過程で一部の人からそういう意見があったわけですけれども、今年の場合は円安ですが、円高の可能性もあるわけですね。そういうことを考えた場合に、年1回でいいのか、むしろ年何回かに分けた方がいいのではないかというのも途中段階ではありました。我々はそういうことも含めてその辺の問題は考えなければならないことではないかと考えております。
○八木分科会長 よろしいでしょうか。
○生源寺委員 今の御説明で状況はよく理解できたつもりでございます。10月の麦価のとき、私は欠席いたしましたものですから十分承知していなかったんですけれども、いずれにせよ、完全にではないにせよ、独立に決まらないものを決めるということがございますので、もう少し御検討を続けていただければと思います。
○八木分科会長 竹内委員、どうぞ。
○竹内委員 問題意識は皆さんと全く同じなので同じことを申し上げることになるかと思うんですが、ボリューム的に言うと国内が転作を中心としてふえてきたということもあるので、かつてよりは国産麦のウエイトが上がってきましたが、それにしても今、10%強ぐらいですか。外麦が9割弱で国内麦は10%強という中で、国内麦の買入価格等を決め、売渡価格を決める。そういう状況にありますので、今の決定時期の話は慎重に御検討されたらいいんじゃないかなと。
9割・1割というバランスで言えば、売渡価格は圧倒的に外麦の条件に左右されるわけですから、最近のように円安になり、あるいは国際価格が上がってくるということになれば、自然体の流れでは売りは値上げだということになるわけですけれども、しかし、今年の扱いそのものとしては、結論的には、コストプール以外に当面この体系を解決できる条件があるかというのは引き続き考えていく必要があると思うんですが、私自身は、今の諸条件のもとでコストプール以外の方式を取り入れることによって全体の麦あるいは転作の問題を矛盾なく整合性のある仕組みというのはなかなか思いつかないので、コストプール以外のものは、勉強していくけれど難しかろうと思っているんですが、コストプールを前提にして、それを毎年毎年適用していく上では、諸情勢を見て、ある程度の幅で弾力的にやっていくことは当然必要だということから、今年の諮問自体については、計算上は7.何%の引き上げになるけれども据え置きというのは、やむを得ない、ないし適切だと評価していいんじゃないかと思うんですが、もっと大事なことは、今議論になったような基本的な矛盾ですね。
つまり、1割分がふえていくことが望ましいわけですけれども、ふえていくとコストプールがうまく維持できるのかどうか。諸条件、外側の条件、WTOでありますとか、調整金の問題でありますとか、そういう問題は、今の数量、価格その他、内麦、外麦、特に外麦の諸条件が変化しないという状況のもとでは一応均衡しているわけですけれど、これが変化していくと矛盾が顕在化してくることになるわけですから、その場合、立花さんがおっしゃるようにもう破綻しかかっているというふうに考えるのか、いやいやこの問題は2年前から、この矛盾がうまく解決していく上では、やっぱり市場の問題を中心にしてやっていくことが適切だということで、非常に大きな御努力をされておられるわけです。それ以外にいい方策があるのかどうか引き続き検討していかなければいけないと思いますけれども、山田さんがおっしゃるような、関係者みんなが不安になり混乱するような、つまり、基礎的な国家貿易をどうするとか、WTOのルールから大きな例外をこの世界でつくれるのかどうかとか、生産体系についての基本的なコストプールの大きな柱を空っぽにできるのかというようなことは、そう簡単なことではもちろんないので、15年産以降の麦対策のあり方について幅広く検討していくというのは、基本的には自給率向上の方向に沿って、その意味ではこれと関係が出てきますが、生産が望ましいようにふえていった場合にこの矛盾が解決するためには今のやり方だけではだめなので、例えば市場との関係をもっと進歩させなければいかん。
長官のお話のように、買入の価格そのものは、買入数量というのはほとんど微々ですけれども、市場が指導だけでうまく消費、つまり、メーカーの需要に合うような生産体系になっているかというのは、やっぱり指導だけでは限界があるので、市場の持つ価格機能というのも当然今以上に使っていくといいますか、効果に期待するということも必要になってくると思うんです。
そういう意味では、麦対策のあり方について検討していく。何を検討していくかというのはよく考える必要があると思いますけれど、検討していかないと、この矛盾が政策として吸収し切れなくなる。し切れなくなった後の政策体系はどうなのかというのは見当がつかない。うまくいかなければ、それこそ麦作自体の実態が崩れちゃう。それが崩れるということになると稲転の関係でもうまくいかなくなる可能性がある。
麦の体系からすると、さっきお話にありました稲転の話は、基本的には麦にとっては生産の予見の話ですから、そういう意味では米の体系がどう変わるか、稲転がどうなるかというのは、麦の方からするといわば予見なんですね。一つだけ言えることは、稲転の奨励金のところで関係が出てくる。つまり、麦の国内の生産に影響を及ぼすわけですから、そういう意味ではつながっているので、加倉井さんがおっしゃるように、稲転の奨励金そのものについても麦の政策体系の観点から勉強していく必要があるんじゃないかという点は僕はあると思います。
麦の体系の中でももちろん、さっき申し上げたようなことから、全体としては麦作奨励金という中ですけれど、さっきと同じことを申し上げるわけですが、価格機能をもっとうまく使っていこうということになると、結果的には麦作奨励金の使い方も変えていかなければいかんということが出てくると思います。そういう意味では、今年の諮問はさっき言ったようなことでいいかと思うんですけれども、 (3)にあるところをやっていくことが必須であって、かつその際、今冒頭に申しましたようなこと。つまり、9割・1割という体系ですから、外麦の条件の変化が非常にスピーディーになってきているということに留意する必要があるので、この検討も早急に着手して、なるべく早く目安をつけていくことが必要じゃないかと感じております。
意見開陳
○八木分科会長 それでは、これからは意見開陳を中心に進めてまいりたいと思いますが、質問等がありましたら、あわせて御発言いただければと思います。
○早乙女委員 それでは、意見開陳と同時に、考え方といいますか、多少要望等がありますから、お話ししたいと思います。
売渡麦価については、前々からこの算出の方法でやりまして、我々生産者からすれば、我々サイドの努力も十二分にあるわけでございますけれども、算出基礎に合ったものでありますから、十分であると私は思っております。
ただ、要望でありますけれども、先ほど中村委員さんからお話がありましたような実需者の考え方、あるいはこれからの持っていき方というのは、なかなか生産現場には反映されないのが現実であります。我々の中へ反映される一つの方法としては、栽培技術の向上とか経営改善というのが重立ったところでありまして、山田委員等々の御指導でそれは非常に向上していると私は思っているんですけれども、世の中を見た場合に、中村委員のおっしゃるような方法が我々の生産現場にどう響くか、それを響かせてもらえるかということが一つあろうかと思います。さらなる御指導をいただければ幸いかと思って思いますし、特に麦作について、あるいはお米についてもそうですけれども、近年とみに、私は栃木県でありますが、農産物のマーケティングのお話というのは、生鮮野菜や肉や畜産物や花等々に十二分な力が行き渡っているにもかかわらず、米や麦については手薄になっている部分があるものですから、そういうところもぜひともお願いしたいと思っております。
それと、先ほど水田確立の助成金のお話が出ましたけれども、例えば麦をつくって麦の収穫物の精算金の支払いのときにお金が入れば、麦をつくっていて、転作して評価があったなと思うんですけれども、そこらの支払いが別々なものですから、方法としては難しいかと思うんですけれども、収穫物に合わせたときに転作奨励金が麦、大豆、あるいはほかの作物が入るという仕組みに変えていただければ幸いかと思っております。
特に、皆さんがお話しのように、国際化の中では非常に難しいところがあろうかと思いますけれども、農家努力としては、より生産費の下がるような、あるいは品質の向上努力は惜しまないわけでありまして、そういうことを望むわけでございますけれども、麦という特殊なものでありまして、例えば今年の麦作、来年収穫物の麦作は、1週間に1回雨が降るという状況のもとで播種作業をやったものですから、まだ播種が終わらないところも当然あるわけでありまして難しい問題があるんですけれども、最大の努力を惜しまないところでありますから、要望として幾つか挙げましたが、十分な御指導をいただければ幸いかと思っております。
○八木分科会長 中村委員、どうぞ。
○中村委員 諮問についての私の意見は、やむを得ないということであります。
私の発言に対しての御意見が出ておりましたので二、三申し上げますと、食糧庁で、2次加工業界のトップの人たちに集まってもらって今回の売渡価格の件について意見交換を行ったということも聞いておりますけれども、私どもの取引先である、例えば山崎製パン、あるいは日清食品、そういう超大手の皆さん方も、今のような情勢では仮に売渡価格の引き上げがあっても値上げができない。今一番強いのは量販店なんです。量販店の力が一番強いんです。ですからそこが値下げ要求をしているときに値上げしてくださいというのは絶対通りません。そういうふうに我々の得意先も言っているときに小麦粉の値段が通るわけがない。ですから、今回 7.6%仮に上がったとすると、我々は小麦粉価格に転嫁できませんから、日本の製粉企業のほとんど全社が赤字になるということだと思います。ですから、今回、家計麦価等の考え方を持ち出して据え置いていただいたわけですけれども、据え置いていただいて我々が得をするわけじゃないんです。むしろ全企業赤字転落にならないで済んだということなわけです。
それから、私がさっき、国内産小麦のことだけでなくて麦政策全般について意見を集約しておいた方がいいんじゃないかというふうに申し上げたのは、何も国家貿易をやめてくれとか、国内産小麦を少なくしろとかいうような論議をするつもりは全くない。ただ、財政事情が厳しい、あるいはお金がないというのか、そういうことで、あるべき方向を何も考えない、思考を中断しておくというのはちょっとまずいんじゃないか。それはいずれインフレになるかもしれませんし、いずれいろんな情勢は変わると思いますので、本来的にはこういうふうに目指すべきだ。その目指すというのが消費者のためにもなり、生産者のためにもなり、中間でいろいろ仕事をしている人たちもみんな希望を持って進んでいけるようなことを明確にしておく必要があるんではないか。それを1年で全部やってしまおうということになると、お金もないし知恵もないという話になりますけれども、1年とか2年とかの話じゃなくて、将来的にはこうやっていくんだということがなければおかしいんではないかというふうに思っておりますので、つけ加えさせていただきます。
○八木分科会長 生源寺委員、どうぞ。
○生源寺委員 最初に諮問に対する私の意見開陳でございますけれども、今回の据え置きの諮問に関しましては、やむを得ないということで賛成いたしたいと思います。やむを得ないというよりもむしろ、 7.6%の引き上げのところをあえて据え置きという形にされた点については、かなり御苦労もあったかと思いますし、その点も含めて賛成いたしたいと思います。
若干の意見でございますけれども、今日は同じような問題意識の議論が多かったものですから、少し重なることになろうかと思いますので、できるだけ簡潔に申し上げたいと思います。
先ほどの決定の時期の問題もそうなのでございますけれども、少し土俵を広げて検討すべきということを改めて強調しておきたいと思います。いつの分科会の場ということを申し上げることはできないんですけれども、今日出された御意見なり問題意識というのは、ここ1、2年かなり頻繁に出てきているような気がいたします。そういう意味では機は熟していると思いますし、これ以上先延ばしにはできない状況になっているんではないかと、こんなふうに思っております。
一つは、検討の対象を広げるということで、転作奨励金といいますか、作物転換の助成の問題もございますし、今年の4月から8月にかけて経営政策の検討会の中で議論されていました農業経営所得安定対策の問題もございます。そういう意味では麦に関係する、あるいは関係する可能性のあるもの全体に広げて、流通も含めていろんなものがあるかと思いますけれども、全体として見直すということを改めてお願いしたいと思っております。
その場合に、結局事を決めるのは、農業の現場の力であり、製粉メーカーの力であり、あるいは2次加工のメーカーの力であり、農業から加工・流通まで全体を含めた力が決めるわけであります。財政負担ということになりますと、これはむしろ日本経済全体の力ということになるわけであります。日本経済全体の力についてこの分科会なりで云々することはできないにしても、しかし、麦なり麦の製品に関係する人々の力量をつけていくという観点から言えば、ここで十分議論すべき論点があろうかと思います。
繰り返しませんけれども、現在の作物転換の助成のシステムは、先ほど早乙女委員も御発言になりましたけれども、いいものの生産性を上げるということに対するインセンティブとしては必ずしも十分な形になっていないような気がいたします。そういったことも含めて、結果的にこうなった、これを調整するという仕組みではなくて、こういう形にインセンティブのシステムとして整えれば2年あるいは5年のうちにはこういう格好になっていくだろう。そういう意味で力を引き出すようなシステムをつくるという観点も含めて、全体的な見直しという作業に着手していただければと思います。非常に難しいということは十分承知でありますけれども、待ったなしの状況かなと、こんな気がしております。
以上でございます。
○八木分科会長 野村委員、どうぞ。
○野村委員 途中退席をさせていただきますので、諮問に対しての意見を申し上げたいと思います。
コストプール方式で参りますと引き上げということであるようでございますが、近年の小売物価や米麦の生産、消費等の動向に照らして据え置かれるということでございますので、本案に賛成でございます。
以上でございます。
○八木分科会長 立花委員、どうぞ。
○立花委員 事務局の御説明を伺いますと、いろいろ御苦労された中で据え置きということですが、私は基本的には引き下げるべきだと思っておりますので、据え置きは問題ありというふうに考えております。
もう一つは、先ほど来お話が出ましたが、売渡価格の算定を従来決められた「新しい麦政策大綱」に基づいて新たな算定方式に切りかえていくという、その辺の作業をぜひ早急に進めていただければと思っております。
以上でございます。
○八木分科会長 ほかに御意見ございませんか。
黒田委員、どうぞ。
○黒田委員 私は諮問案の据え置きはやむを得ないということを一応申し上げておきたいと思います。
議論の焦点がわかりにくい。問題のありかが複雑で、私は会に出るたびに悩むんですけれども、この議論の焦点の絞り方について、今ごろ言っても間に合わないのかもしれないんですけれど、考え方が幾つかあると思うんですが、もう少し事務局で整理して出していただけないものかと思います。
据え置きというとりあえずの結論を出した背景は、言ってしまえば、据え置くということの自分の意見にも自信がないからでございまして、私がよりどころとして考えるのはやっぱり家計の問題で、建前に近いような印象を受けるんですけれども、「家計」という言葉が非常に出ますので。家計の立場ということも幾つもあると思うんです。それをまた整理しなければいけないんですけれども、先ほど自給率のことをちらと伺ったのは、一つは食糧の長期的な安全のことをまずは押さえなければいけないだろうということで、自給率は向上しているということでまずはいいじゃないかと。
家計のデフレの問題なんかが出てくるときに、購入の損得からいくと、私は今日のお話を伺っていて、実需者が御苦労されているように、購入金額で得をするのは輸入調製品絡みのところに向かわざるを得ない。これはいろんなところで、輸入品を、麦の加工品ですね。いろんなところで、結果として外麦依存は実質もっともっと高いんじゃないか。ここでは麦価だけを家計と直結した形で指標にしてられるけれども、それは実は問題で、購入者、家計簿に直結する形での損得というのはもうちょっと検討して議論する必要があると思いました。
もう一つは、納税負担といいますか、転作奨励金とか、税金を払う立場から見ていった場合にまず言えることは、ほかの産業ではエンドユーザーが買わないようなものを生産していたら生産を続けることは絶対許されないわけで、努力されても麦の生産に不適な場所で、転作面積を増やすのは無論のことですけれども、市場の品質に対するニーズに鈍感なまま生産を続けるということはやっぱり許されない。もちろん、これには歴史的に見ていろんな指導が必要なこともわかりますけれども、私が据え置きやむを得ない、その条件としてここでとりあえず言えることは、品質不良品を増やすような形での転作は家計の立場からは許されないだろう、そこのところを強調して意見とさせていただきます。
以上です。
○八木分科会長 加倉井委員、どうぞ。
○加倉井委員 諮問案に賛成であります。
ちょっと意見を言わせていただきたいんですが、私は日本農業というのは、保護すべきであるし、絶対必要な産業だと思っておりますが、同時に、保護ばかりしていると弱くなって体質が脆弱になる。そっちへ行くのはいけないことだと。国民はそんなことは望んでいないと思うんです。保護と体質を強くして育てていくという両方をどうやってやっていくかということが問われているんだろうと思います。
それで申し上げますけれども、コストプール方式というやり方は、非常にうまいシステムをだれかが昔考えて、大したものだと思うんですが、これは基本的には現状でつじつまを合わせるということにどうしても走りがちだと思うんです。状況が変わってきたところでどうするかということになると、どうもそれがはっきりしない。長期的な見通しということになると見えなくなるということがあると思います。
中の問題で言いますと、先ほど麦類に転作奨励金がどれぐらい入っているか伺ったんですが、大まかに言って 300億円ということになりますと、これを70万トンで割り戻しますと1トン当たり4万円ぐらいになるんですね。それを入れていて、ここで例えば小麦のコスト価格がトン当たり5万幾らという計算をしているわけだから、価格の分野で考えるとそれはつじつまは合っているんだけれど、別な要素を入れると、本当にこれでいいのか悪いのかという話はまた別の視点になってしまうんですね。そういうことも考えて、だからだれかも言ったようにもっと広く考えて、もっと長期的に考えてどうすべきかということをやっていかないと、最初に戻りますが、保護だけでいいのか、体質を改善しなくていいのかという話と常に突き合わせていくと矛盾が出てくるような。これは長期的にどうしたらいいのかというのは何もないような気がします。
中の問題を言いましたが、外の問題で言いますと、中村委員が指摘されたように中国のWTO加盟というのがありまして、中国というのは小麦は国際競争力は全くありませんで、外国から輸入していて、下手をすると中国農業はWTO加盟でつぶれるんじゃないかというのが中国の指導者、中南海の指導者の心配であります。自分のところがつぶれるときにどうしたらいいかというと、目の前に非常にお金のある国がありまして、そこへ加工して輸出できたら、自分の国が苦しいんですから、だれだってそれをやることは目に見えているわけですね。
中国のWTO加盟というのは日本農業に物すごいインパクトがあるのに、今年加盟したんですから、何でそれを考慮に入れないのか、日本農業の戦略の中にどうしてそれが入らないのかということが不思議でなりません。そういう意味も、体質をどうやって強めるかとか、そういうことと関係するんですけれども、麦政策についてのそういう長期的な見通しというものをきちんと考えるべき時期が来ているということを思っております。
○八木分科会長 どうもありがとうございました。
山田委員、どうぞ。
○山田委員 まず諮問についてでありますが、10月の国内産麦の経営安定資金の決定に際して、算定方式もありますが、引き下げたわけであります。その際、米の生産調整面積の拡大もありまして生産数量が増加していることが理由になりましたし、さらに、財源負担といいますか、今日も議論になっておりますが、輸入麦の売買差益に負担をかけているという事情ですね、そういうこと等も踏まえまして、この引き下げを了解してきた経緯があります。
今回売渡価格を据え置くということになりますと財源問題がより厳しくなるという言ことで、生産数量の今後の動向もあるわけですが、15年産以降の経営安定資金等の決定に当たりまして、再び財源問題や数量拡大問題を持ち出されるのではかなわないという懸念があるわけでありまして、そうした懸念が杞憂に終わることを前提に、私としては諮問については賛成したいと思います。
若干意見を申し上げます。
買入麦価の決定の際にも申し上げたわけでありますが、国内の農地等の資源を活用しまして、国内の麦の需給の90%以上の海外依存をいささかなりとも改善していこうということで、新しい基本法もあるわけですし、基本計画もあり、多様な取り組みを行っているわけであります。それらの新しい基本法と連動しまして、全量政府買い入れという麦の管理の仕組みを改めて、わずか2年、民間流通に移行してまだ2回しか麦をつくっていないんですよ。そういう事情の中でまた麦のあり方について見直しますよというのは、一体どこへ連れていこうとするのかという議論に私は必ず逢着すると思っております。
民間流通ということで、今、3回目の麦を播種しているわけでありますし、新しい品種開発もようやく緒について、前回お見せいただいたような品種登録もなされているということでありますから、そういう取り組みを定着させていくというか、そういう経緯をきちっと踏まえていくべきだというふうに思っております。国内産の麦が直ちに 100万トンを軽く超えますとか、 150万トンになりますとか、そんなことは残念ながら毛頭ありません。それほど生産力は強くないと思っておりますので、そうした意味からしまして、長い目でこの対策を見ていく必要があると思います。
それぞれの皆さんからの多様な検討をしておかなきゃいかんよということについては私も十分理解しているつもりでありますけれども、しかし、先ほど意見で申し上げましたが、ミスマッチの状況等、わずか2年の状況をとらえて麦対策のあり方について見直しますという整理の仕方については私は納得できないということを申し上げておきます。
以上です。
○八木分科会長 ほかにございますか。
甲斐委員、どうぞ。
○甲斐委員 今回の諮問につきましては、今の状況ではやむを得ないと思いますので賛成いたします。ですけれど、皆さんから御意見が出ましたように、今後の問題としては、根本的に考えていかなければならないことが多々あるということと、今、山田委員がおっしゃられましたけれども、危機感の共有というのは温度差があるなと思うんです。
今、加工業者の方も、製粉業者の方も、みんなすごい危機感があるわけですし、国内では大変な赤字を抱えておりますし、将来を展望いたしますといろんな危機感があると思います。農家の方にも、そこまでの感覚をお持ちの方とお持ちでない方とあるように思うので、指導的立場にいらっしゃる山田委員には、十分に末端までいろんな情報が届くように御努力いただきたいと思います。
私どもは国産品を愛用しようということで、消費者はみんな素人ですから、半分ぐらいは自国で賄っていなければ今の情勢心配だねというのは今のみんなの共通の認識です。ですけれども、それが幾ら高くても、幾ら品質が悪くても持ちこたえるのだということはできないことですので、お互いに努力して、情報を公開しながら、情報と一緒に物を買っていくという形をつくっていかなければいけないのではないかと思っております。
これで意見開陳にさせていただきます。
○八木分科会長 平沢委員、お願いいたします。
○平沢委員 勤務先で用がありますので、意見を述べさせていただいて退席させていただきます。
諮問に対しましては賛成でございます。
現在の方式では、生産の側、加工・販売の側双方の努力が求められているということになるかと思いますが、生産の側で見ますと、期待される品種が開発されていますので、今後はそのような品種の性質を十分発揮させて、あわせて収量を高めていくということがコストの削減につながっていくと思います。そのための技術と栽培の基盤をつくり上げていく御努力を引き続きおやりいただきたいと思います。実需者の方にすれば、国内産の麦をいかに使っていくかといった御努力もこれからやっていただきたいと思っています。
いずれにしましても、食料自給率を高めるということ、安全な食糧を安定して確保していくということが国の方針となっておりますので、当事者の努力だけではなく、国としてどのように支持していくかということを考えていく必要があるわけで、そのようなことが今回の諮問に対して賛成した理由でございます。
この場で申し上げるのは必ずしも適当ではないかもしれませんが、安全な食糧をいかに多く国内で生産していくかということは非常に大事で申すまでもないことでございますが、併せて農産物の生産は環境の問題としても考えていく必要があると考えます。大量の食糧や飼料が外国から入っているわけですが、入ってきたものをどうやって国内で循環させて使っていくかということが、生態系を考えると大変重要になります。そういった意味でも、自国で消費するものは可能な限り自国で生産することが重要になります。こういった物質の循環をどういうふうに考えていくのかということは、これからは大変重要となると考えております。
このように考えますと、いろいろ御意見が出されているように、麦作だけではなくて、作物生産、あるいは農業をどのように国として考えていくのかということは大変大きな問題で、時間をかけてじっくり審議していただきたいと思います。
以上でございます。
○八木分科会長 では、中田委員、どうぞ。
○中田委員 私もこの諮問に対しては、数値的なことで大変難しい計算をなさっていらっしゃるので、素人ながら、これは間違いないのだろう、これは賛成すべきなんだろうかなというふうに思っておりますけれども、ただ、お話を聞いていて、先ほど甲斐先生からも出たんですけれども、農業者、農業全体に危機感をもう少し持っていただかなければならないんじゃないかという感想を持ちました。
十勝で出ました狂牛病の問題なんかを見ましても、国内農業は安全だという農畜産に対する安全神話みたいなものが全く崩れてしまいまして、麦作なんかも、飼料をやっているのを見て、それは外国産のものを使っている、大丈夫なのか、そこまで私たちとしては神経質にならざるを得ない状態が続いています。量販店で売られています加工された粉を使ってパンを焼いている家庭もかなりありますし、そういう中で外国産の小麦は本当に安全なんだろうかという心配も、今非常に敏感に消費者としては考えざるを得ない状況になっています。
もう一つ、外国で安くつくって逆輸入している製品が食糧だけでなく全般にわたって見られるようになってくると、国内企業そのものも大変な状態に陥っているのではないかということも考えますと、自給率を高めるという意味では、農業だけでなくて全体が見直さなければならない時代なのでしょうけれども、先ほど加倉井さんがおっしゃったように、農業は保護されるべきだという反面、もう少しみんなで危機感を持って対応していく時代になっているのではないかと思っています。
私たちはできるだけ国内産を使うような、団体としてですけれども、運動もしておりますので、良質なものをたっぷりと提供していただけるような政策をよろしくお願いしたいと思います。
○八木分科会長 ほかにございますか。
上田委員、どうぞ。
○上田委員 生産者としてですけれども、コストプール方式とか、輸入麦との差益で国内産麦がいろんな補助を受けているということを知っている農家は余りいないんじゃないかと思います。これだけの財源が使われているということを知って、国産麦がふえればふえるほど財源が使われていくことを知ったら、もうつくらないよと言わざるを得ないこともあるんじゃないかと生産者としては思います。けれども、自給率を上げるという目的が一つあって、それならばといって、大豆にしろ同じだと思いますが、そういう思いで作付をふやしている農家もとても多いです。この差益については、製粉業者の方も大変お困りなことはわかりますし、調製品が入ってくることは、私も消費者としての立場でも、健康の面からしても、国内の産業にしてもとても困ることにつながっていくと思いますので、皆さんの御意見と同じで、急には変えられないと思いますけれども、変えていかなければならないと思います。
それから国産の麦の品質についてですけれども、いいものをつくりたいのは農家が一番そう思っていますので努力しますけれども、最終的には天候にも左右されますので仕方ないこともあります。国産麦が製品にしたときになかなかいい品物にならなくて、量が少なくて、在庫を抱えて困るということもお聞きしていますけれども、今、めん類にもいろんな付加価値といいますか、モロヘイヤを加えたりシソを加えたりしてうどんにしたりということで色を変えられることもあって、そういうことの研究も必要じゃないかと思いますし、学校給食などでパンを使いますけれども、それに国産麦を使うということの努力も必要なんじゃないかと思います。
前年度の議事録を見てみますと、国産麦でつくったパンは少しかたいので普及が少ないということがありましたが、今いろんなところで改良されたり、そういうかたいパンが売れたりもしていますけれども、学校給食で使う場合に、子供たちがすべてやわらかいものに偏っているということも嫌われることの一つかもしれませんが、かむことの大事さも言われておりますし、国内の農業、あるいは国産のものを大事にしようという教育的な見地からも、教育関連の方からも推進していただければもっと需要もふえるんじゃないかと思います。そういうことをお願いしたいと思います。
諮問については仕方ないと思います。
○八木分科会長 倉持委員、どうぞ。
○倉持委員 諮問については適当だと考えております。
要望意見として申し上げます。
生産者の側としては、麦作の本作化、あるいは畑作麦についても相当な努力をしているわけでありまして、先ほどの説明の中でも、いわゆるミスマッチの問題についても、年間トータルで考えれば、ひところよりは相当解決されてきているんではないかと考えております。
生産者の側からしますと、農業上の政策、施策がくるくる変わるというのが一番生産現場に混乱を起こすわけでありますから、新しい麦の政策の中でじっくりと定着をさせて、麦あるいは大豆自給率の向上についてさらに強力な施策をとっていただければと、こんなふうに考えております。
以上でございます。
○八木分科会長 岡本委員、どうぞ。
○岡本委員 この諮問に対しては賛成させていただきます。
私は生産者です。生産する者としてというか、転作。今、よく品質なんかのことで問題になっている転作麦をやっております。転作麦をやっておる中で、今お話を聞いていて、耳が痛いというか、品質が悪いというか、十分承知しております。適作ではないところでつくっているものですからそれは十分承知しております。ですからそういうところへの支援。品種とか排水対策、個人ではできない部分の支援をお願いしたいと思います。肥培管理などは、今までの技術というか、勘というか、そういうことでできていくわけですけれども、せっかく新しい品種ができても、地域でまとめなければ、1人がつくっていても仕方がありません。そういうところの普及もお願いしたい。排水も地域で取り組まなければ不可能なところもあります。そういうところの御支援を重ねてお願いしたいと思います。その点よろしくお願いします。
以上です。
○八木分科会長 それでは、以上で御意見の表明がすべて終わりましたので、昼食といたしたいと思います。
世話人の方々には、午後12時40分から答申案の作成に入りますので、起草委員会会場へお集まりいただくようお願いいたします。
なお、答申の起草に当たりましては、田中分科会長代理に起草委員長をお願いしたいと思います。
よろしいでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
○八木分科会長 なお、審議の再開は、ちょうど1時間後ということにいたしまして、午後1時10分ごろにしたいと思いますが、答申案の作成状況を踏まえまして、改めて事務局から御案内いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、休憩に入ります。
休 憩
再 開
○八木分科会長 それでは、審議を再開したいと思います。
答申のとりまとめ
○八木分科会長 昼休みの間に世話人の方々にお集まりいただきまして作成しました答申案を、起草委員長の田中分科会長代理から御披露いただきたいと思います。
○田中分科会長代理 若干時間がかかって申しわけございません。
では、答申案を朗読させていただきます。
本審議会は、農林水産大臣から諮問のあった麦の標準売渡価格について、下記のとおり答申する。
記
麦の標準売渡価格については、大方の委員は賛成またはやむを得ないとの意見であったので、政府案どおり決定されたい。
平成13年12月14日 農林水産大臣 武 部 勤 殿 食料・農業・農村政策審議会主要食糧分科会
会 長 八 木 宏 典
以上でございます。
○八木分科会長 どうもありがとうございました。
ただいま田中起草委員長から報告されました答申案をこのまま決定してよろしゅうございますでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
○八木分科会長 ありがとうございました。
なお、本日委員の皆様方から大変たくさんの御意見をいただきましたので、その意見を踏まえまして、この答申を大臣にお渡しするときに、私から、前回の10月3日付の答申案の附帯事項でございますけれども、なお、平成15年産麦以降の民間流通の仕組みを初めとした麦対策のあり方について関係者の間で幅広く検討されたい、こうした趣旨を踏まえまして口頭で申し上げたいと思います。
よろしゅうございますでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
○八木分科会長 それでは、そのようにさせていただきます。
なお、この答申につきましては、後ほど私から大臣にお渡しをする、あわせて申し上げるということでよろしゅうございますでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
○八木分科会長 どうもありがとうございました。
それでは、本日は、活発な御審議、御意見、ありがとうございました。
以上をもちまして本日の主要食糧分科会を終了いたします。
長時間にわたり、どうもありがとうございました。
閉 会